別荘に住み込んでの管理

別荘の管理を頼まれてくれないか、と知人に言われた。何でも、家はずっとほうっておくと傷んでくるので、住んで欲しいということであった。どうしようか迷ったが、引越しが好きな性分であったことと、場所に縛られない仕事についているため、困っているのならばやってやろうと思って、一肌脱ぐことにした。

別荘は、人里離れた山奥で、小鳥が元気にさえずっている緑豊かな場所にあるらしい。持ち主である知人に聞いたところ、秘湯がそばにあるから、暇があれば探して行ってみるといいと言う話だった。そういえば、知人は学生のころから温泉好きで、全国を旅して歩いていた。別荘はリゾート地にあることも多いけれども、温泉地にもよくある。温泉好きの知人が、そのことを知ったら、いつでも入れる温泉として別荘の購入を考えたのは容易に想像ができた。

別荘を買ったはいいが、家をほうっておくと傷むことに気づき、またそう幾度も足を運べないという現実に気づいたのだろう。なので、使いたい時に、常に使えるようにしておくために、別荘に管理者を招致したかったのだと思われた。

さて、別荘の管理を引き受けたのは良かったけれども、何をしていいのかわからない。ただ住むだけでいいからと、言われてはいても、それなりの金額を包んでもらった以上、何かしないと申し訳ない。そこで、出来る限り、別荘の管理をしてみようと思った。別荘の管理について、調べてみると、驚いたことがあった。この手の管理は、業者が行っていることが多いということと、別荘だからといって、戸建であるとは限らないということだった。テレビの影響のせいか、別荘は戸建であり、そこには持ち主はたまにしか来ずに、普段は管理者夫婦が住んでいるというイメージが強かった。最も、戸建でない別荘はリゾートマンションと呼ばれていて、その名前を聞くとそういえばそうかと、思い出した。

別荘を管理することについて、もしかすると友人も業者が行ってくれるというのを知らなかったのかもしれない。それでも、業者があるようだから頼んだらどうだというのは、あまりにも冷たく、いまさらのように思われた。引き受けたのだから、出来る限りのことをやりたかった。さて、では実際は何をすればいいのだろう。それを詳しく調べて、必要なものを買いそろえようと思う。