別荘に訪れる持ち主を気持ちよく迎える

別荘の管理で、最も重要な仕事は、やっぱり持ち主が来た時にすごしやすいようにすることじゃないかと思う。ただ、今回の場合は、知人に頼まれてはじめたことだから、テーブルいっぱいのご馳走を準備して、「よくきてくれた」と言うのは、どうにも奇妙に思われる。

別荘の持ち主である知人が来るといった時は、別荘を綺麗な状態にしておいて、明け渡すのが最も適当だと思った。彼らは、家族水入らずで過ごしたいだろうし、知人である別荘の管理人を雑用係のようには使えないだろう。と言って、家族でやってきて、別荘の管理人をもてなすのも気が落ち着くまい。

結論として、別荘に行きたいと言う連絡が入ったときのために、旅行先をチョイスしておくのが楽しみのためにもいいだろう。夏には北海道に行って、空を見上げて堂々と草原を歩き、季節もののうにを食べる。冬には南国へ行って、ゆったりしたラフな服のように縛られない自由を楽しむ。ああ、別荘の生活が緑豊かなのだから、いっそ、緑がなく、イギリスの近衛兵のように規則的で時間に迫られる都会に行くのもいい。こうした時に、別荘のような暮らしと、都会の暮らしとどちらの生活が自分にあっているかがよくわかりそうだ。ある意味、一つの自己発見に繋がるだろう。最も、仕事がたくさん入り、忙しい時のために、便利なシティホテルをいくつか押さえておくのも忘れてはならないことだと思った。

別荘の生活は、職業によって、そして人によって、大変楽しめるものになるのがよくわかる。一生の内、一度はそういった体験をすると、家の修繕にもそれなりの知識がつくだろうし、テクニックも身に付く。他にも虫との向き合い方や、小さな害獣に対して、どのようなやり方が正しいのかも、本によるそれでなく、経験則でわかってくるはずである。そうした一つ一つの積み重ねが、自信に繋がる。そんな風に考えると楽しくなってくる。

それは、別荘を持った時に役に立つだろうし、それ以外でも人生においてのプラスになるのがよくわかる。また、様々なトラブルがあった時、その対処をしていくことで身に付くこともたくさんあるはずだ。ただ、一つだけ、不安がある。下手をすると、いたちという食い扶持が増える可能性が否めないことである。